EV時代の争奪戦! なぜ「脱レアメタル」が重要なのか? 中国依存からの脱却、価格高騰リスク…最新技術を解説する
自動車業界は電動化の波とともに脱レアメタルに向けた革新を加速している。IEA予測によると、レアアースの需要は2040年に3.4倍増加するなか、日産やいすゞは使用量削減に挑戦。リサイクル技術の進展と新材料開発が、コスト削減と環境負荷低減に貢献し、持続可能な未来を切り開いている。
レアアース依存からの脱却

自動車業界は、電動化の波に乗り、大きな変革を迎えている。このなかで、レアメタル使用量の削減が急務となり、業界全体で脱レアメタルに向けた取り組みが加速している。この動きは、環境配慮だけでなく、資源の安定供給や製造コストの削減という重要な課題とも密接に関連している。
特に、電気自動車(EV)の駆動用モーターに使用されるレアアースの削減が注目を集めている。現在、多くのEVが採用している永久磁石型同期モーターでは、ネオジム(Nd)やジスプロシウム(Dy)などのレアアースが使われている。しかし、これらの資源は中国に偏在しており、地政学的リスクや価格高騰の懸念がつきまとう。
国際エネルギー機関(IEA)の予測によれば、レアアースの需要は2040年には2020年の3.4倍に達する見込みだ。この予測を受け、最近では自動車メーカーやサプライヤーがレアアースを使用しないモーターの開発や、使用量削減の技術研究に注力している。
本稿では、自動車業界における脱レアメタルの進展について、最新の技術開発や取り組みを交えながら詳述する。