東京発「夜行列車」復活はあり得るか? 鉄道ゆえの強み・需要を徹底分析! 注目の「3区間」を考える

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夜行列車復活の可能性が高まっている。環境意識の高まりやホテル料金の高騰を背景に、夜行列車が再び注目を集めている。CO2削減を求める企業や観光客の需要を取り込み、東京~四国や北海道などのルートが候補に挙がる。移動と宿泊を両立するこの手段が新たなモビリティの可能性を広げるかもしれない。

候補3「東京~丹後地方・但馬地方」

伊根の舟屋(画像:写真AC)
伊根の舟屋(画像:写真AC)

 京都府北部や兵庫県北部にあたる丹後地方や但馬地方は、日本三景のひとつである天橋立や舟屋が広がる伊根地区、武家屋敷の立ち並ぶ出石地区、近畿地方を代表する温泉地である城崎温泉など、多くの魅力的な観光地が点在している。ズワイガニや但馬牛などのグルメも人気で、一度は訪れてみたいと思う人も多いだろう。

 しかし、これらの地方は東京からの直線距離に比べ、どの交通手段を用いても所要時間がかかる都市だ。特に京丹後市に関しては、どんな手段を使っても片道5時間以上かかるため、「東京から最も遠い」といわれることもある。

 このアクセスの問題の一因としては、但馬飛行場の滑走路が1200mしかなく、東京からの直行便を飛ばせない長さであることが挙げられる。さらに、同空港は山に囲まれた地形のため滑走路を延長するのが難しく、バスでもあまり所要時間が変わらない伊丹空港までの路線しか飛ばせず、東京へのアクセスは伊丹空港で乗り換えるしかないのが現状だ。

 こうした不便なアクセスが理由で、丹後地方や但馬地方は関西圏からの集客に依存するしかなく、所得が高く外国人も多い首都圏からの集客が難しいという課題を抱えている。

 そこで望まれるのが、東京を深夜に出発し、東海道線・福知山線などを経由して9~10時台に天橋立駅や豊岡駅に到着する夜行列車だ。このような列車があれば、朝から活動でき、滞在時間をたっぷり確保して同地の複数の観光名所を巡ることができるだろう。かつて存在した東京から天橋立や城崎温泉に向かう夜行バスは現在運休中のため、ぜひとも必要な列車だ。

 さらに、このような列車があれば早朝に京都や大阪に停車する可能性もある。そうなればビジネス需要も見込め、かつての急行「銀河」や快適な3列シート以上を売りにした高速バスに乗車している層を取り込むことも可能となり、採算を上げやすくなるだろう。

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