東京発「夜行列車」復活はあり得るか? 鉄道ゆえの強み・需要を徹底分析! 注目の「3区間」を考える

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夜行列車復活の可能性が高まっている。環境意識の高まりやホテル料金の高騰を背景に、夜行列車が再び注目を集めている。CO2削減を求める企業や観光客の需要を取り込み、東京~四国や北海道などのルートが候補に挙がる。移動と宿泊を両立するこの手段が新たなモビリティの可能性を広げるかもしれない。

夜行列車の潜在顧客2:「オフ」の利用では朝早くから行うレジャーを趣味にする人がターゲットになりうる

トワイライトエクスプレス(画像:写真AC)
トワイライトエクスプレス(画像:写真AC)

「オフ」の利用客においては、朝早くから活動する必要のある趣味を持つ人がターゲットとなると考えている。

 例えば、夕方には必ず戻る、または野営に備えなければならない登山では、かなり早い時間に拠点に到着しなければ活動そのものが成り立たない。また、拠点に到着する前に疲労を溜めないよう心がけることも重要だ。そのため、車内スペースが広く、寝台車で横になって寝ることも可能な鉄道への期待は高いといえるだろう。実際、2024年の夏と秋に新宿~白馬間で運転された臨時夜行特急「アルプス」は、その需要に応え、好評を博した。

 また、筆者はダイビングファンにも可能性があると考えている。ダイビングは朝早くの集合時間が求められるケースが多く、潜水後24時間は飛行機に乗ることができないという規定がある。潜水直後は体に窒素が溜まっている状態であり、これをそのまま空中に浮上すると、窒素が体内の組織を破壊する減圧症という症状にかかってしまうためである。

 筆者はダイビングライセンスを所有しており、旅行シーズンになると検討するが、日本本土から遠方のダイビング地では帰りの交通手段に直面することが多い。ダイビング参加人口は多く見積もっても約80万人(2022年)と、約500万人(2022年)存在する登山客や約520万人存在する釣り客と比べると決して多いとはいえないが、夜行移動ニーズに潜在的可能性があると捉えることはできるだろう。

 それ以外では、かつての「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」、現代の「四季島」や「ななつ星」のような列車も人気があるが、こちらは夜行移動というよりも、列車そのものが目的であるクルーズに近いものであり、本稿では省略する。

 また、帰省をはじめ、朝早くの需要をともなわないものについては、移動手段が発達した現代では意義を探すのが難しいため、こちらも厳しいと考えられる。

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