船員が足りない! 50歳以上が半数「内航海運」本当に大丈夫か? 働き方改革待ったなし、海上労働環境を変えられるか
船員不足と過酷な労働環境が深刻化する中、海運業界は国際的な規制や革新的な取り組みによって労働環境改善に挑戦している。特に、船内の居住区や健康管理の向上が進み、船員の確保に向けた新たな方策が求められている。デジタル化や働き方改革が未来の海運業界を支えるカギとなる。
高齢化進む船員業界の現実

近年、働き手の減少や長時間労働の抑制を目的に、多様な働き方を目指す働き方改革が進められ、私たちの労働環境は変わりつつある。
この変化は陸上の仕事に限らず、特殊な労働環境である船上の船員にも影響を与えている。海運業界では船員不足が深刻な問題となっており、国際的な貿易を支える船員の確保は、世界経済にとって非常に重要な課題だ。
船員の労働環境や船内の居住区環境を改善するための取り組みが世界中で進められている。元々、船員の労働環境は特殊であり、その過酷さから船員になることを避ける傾向が強まり、船員不足が深刻な課題となっている。
内航海運(国内の港と港を結ぶ海上輸送)では、50歳以上の船員が全体の
「約半分」
を占めるなど、船員の高齢化が進んでいる一方で、長時間労働や船上生活の特殊性が若者に敬遠され、業界全体での人材確保が難しくなっている。
この状況を打破するために、国際的な規制や船主独自の取り組みが進められている。例えば、2006(平成18)年に採択された海上労働条約や、国内での船員法改正などが、労働環境の向上に向けた取り組みの一環となっている。