今年4月から車検が「2か月前」から受けられるようになりますが、実際に何が変わるのでしょうか?

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2025年4月から施行される車検の受検期間延長により、業務に支障をきたすことが多かった車検の予約が改善される。特に配送業などでは、車検の計画が立てやすくなり、売上への影響も軽減。混雑する年度末を避け、整備士の負担軽減と消費者満足度向上が期待される。

車検改正で変わる受検期間

車検イメージ(画像:写真AC)
車検イメージ(画像:写真AC)

 車検は、自動車が公道を走行するために必要な法定検査で、正式には「自動車検査」と呼ばれる。これは道路運送車両法に基づき、定期的に実施され、車両が保安基準を満たしているか確認することを目的としている。具体的には、安全性や環境への影響を評価し、車両が適切に運行できる状態かどうかをチェックする。

 日本では、車検は新車登録から初回が3年後、その後は車両の年数に関係なく2年ごとに実施される。自家用乗用車の場合、初回の車検は3年後で、2回目以降は2年ごとに受ける必要がある。車検を受けることで、車両が法律で定められた基準を満たしていることが確認され、公道で運転できるようになる。

 車検では、排ガス、灯火類、タイヤの状態、ブレーキの効き具合など、安全運行に必要な項目がチェックされる。車検を受けていない車両は、公道を走行することができない。

 そのため、車検の有効期限が切れる前に必ず受けなければならない。車検は、有効期間の切れる1か月前から満了日までの間に受けることができ、この期間内に受ければ、残りの有効期間が失われることはない。しかし、この期間には車検の依頼が集中するため、早めの予約が必要になる。

 国土交通省のデータによると、2024年6月25日に発表された「月別車検台数(2019年~2023年の平均)」では、月別平均が約281万台だが、3月は約389万台とピークを迎える。年度末の入学や就職シーズンと重なり、車の需要が増えるため、車検の予約が取りづらくなる傾向にある。この状況を受けて、2025年4月1日から「道路運送車両法施行規則」が改正され、車検の受検期間が

「有効満了日の2か月前」

から満了日までとなる。この期間内に車検を受ければ、残りの有効期間を失うことはない。また、自賠責保険の有効期間についても整合性を取るために、関連する法規則が改正される予定だ。この改正がどのような効果をもたらすのか、注目されている。

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