「通学支援がやっと」 関西の路線バス廃止・減便相次ぐ! バス会社は完全自動運転化まで持ちこたえられるか?

キーワード :
,
2024年、関西各地で路線バスの廃止や減便が相次いだ。ドライバー不足が深刻化しているため、今後、バス路線はどこまで縮小していくのだろうか。

大阪メトロは駅員らをドライバーに養成

大阪難波から天保山に向かう大阪シティバス(画像:高田泰)
大阪難波から天保山に向かう大阪シティバス(画像:高田泰)

 大阪府交野市では市南部を走る京阪バスの交野南部線など4路線が2025年3月限りで廃止される。市南部に公共交通空白地域が生まれることから、市は市主体でのバス路線維持に踏み切った。

 2025年の大阪・関西万博で会場アクセスにバスを使用するため、関西は大型二種免許を持つドライバー確保が余計に難しくなっていた。そこで、市は講習を受ければ大型一種免許取得者が運転できる国の自家用有償旅客運送事業を活用し、ドライバー確保に入っている。

 山本景市長は最悪の場合、大型一種免許を持つ市職員を動員して住民の足を守る覚悟を示していたが、市の広報担当者は

「市職員を動員しなくても路線を運行できるめどが立った」

と胸をなでおろしていた。

 万博のバスドライバー確保も苦戦の連続だった。会場となる大阪市此花区の夢洲と市内の主要駅、舞洲に設ける駐車場などを結ぶシャトルバスを走らせる計画だが、ドライバーが集まらない。このため、全国のバス会社に協力を要請するとともに、大阪メトロが駅員ら自社社員に大型二種免許を取得させるなどしてドライバーを確保した。

 大阪メトロが集めたドライバーは万博期間中、子会社の大阪シティバスに出向し、ハンドルを握る。大阪メトロは

「全社を挙げて万博に協力するため、車内でドライバーを養成した。確保したドライバー数は約100人になる」

と説明した。

全てのコメントを見る