「通学支援がやっと」 関西の路線バス廃止・減便相次ぐ! バス会社は完全自動運転化まで持ちこたえられるか?

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2024年、関西各地で路線バスの廃止や減便が相次いだ。ドライバー不足が深刻化しているため、今後、バス路線はどこまで縮小していくのだろうか。

住民の足が各地で危機に

在りし日の金剛バス(画像:写真AC)
在りし日の金剛バス(画像:写真AC)

 2024年の関西では、路線バスの危機が前年末に起きた大阪府富田林市の金剛自動車廃業から始まった。

 富田林市と近隣の河南町、太子町、千早赤坂村で巨大な公共交通空白地域が生まれる事態に直面し、近鉄バスと南海バスが路線維持に参入した。しかし、両社ともドライバー不足で、全路線運行は難しい。4市町は金剛ふるさとバスを設けて残り路線の運行に入った。

 だが、金剛ふるさとバスの便数は金剛自動車時代の7割ほど。事実上の減便だ。3億円を超すとみられる4市町の負担金も財政に重くのしかかる。大型バスやマイクロバスなど計7台を出して路線維持に力を入れる河南町総務課は

「近鉄富田林駅行きの朝の便を増やし、通学を支援するのがやっと」

と苦しい胸の内を打ち明けた。

 神戸市では西区平野町の平野小学校前に停車する神姫(しんき)バスの路線が2025年3月で運行を休止することになった。平野小学校の校区は南北に長く、北東部の堅田地区や南西部の中津地区から歩けば1時間近くかかる。このため、約60人の児童がバス通学している。

 他に代替公共交通はない。神戸市教委が交通事業者を探したところ、市内の観光バス運行会社が朝夕に校区内を回って送迎してくれることが決まった。市教委学校教育課は

「その会社もドライバー不足で出せるドライバーはひとりだけだが、最悪の事態を避けられ、ほっとしている」

と話した。

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