バス業界、2025年は革命前夜? 「自動運転×電動化」で人手不足解消なるか? 運賃値上げ、AI導入――激動のバス業界の未来を徹底予測する
2025年、バス業界は厳しい経営状況を乗り越え、技術革新と労働環境改善に向けた動きを加速させる。自動運転や電動車両の導入、賃金引き上げを通じて、ドライバー不足解消と持続可能な運行を目指す中、業界の未来には新たなビジネスモデルが現実味を帯びる。
ドライバー不足解消への道

最後のテーマについて説明する。
●業界が直面する課題とその解決策
バス業界は依然としてドライバー不足という深刻な課題に直面している。給与の見直しや実際の給与額の引き上げが重要なテーマとなっており、2025年に向けてバス事業者の自助努力が続くと予測されている。
特に、大型2種免許の取得条件が緩和され、全国的に10代でも免許を取得できるようになった。この変更を活かし、若手ドライバーの雇用と育成が進むことが期待されている。給与水準が比較的低いものの、安定した職を求める若手ドライバーの採用が増加し、さらに女性ドライバーや外国人ドライバーの雇用も拡大すると見込まれている。
次に、財政面では依然として厳しい状況が続いている。モータリゼーションの拡大やテレワークの普及による定期券収入の減少、2024年問題にともなうドライバー不足の解消に向けた賃金捻出など、バス事業者の財政は大きな課題となっている。
特に、高速バスのドライバー不足という問題に対しては、地域との合意形成が重要だ。事業の厳しさを理解してもらうための情報公開や運賃引き上げに関する議論、さらに滋賀県のように交通税を導入することや交通バリアを軽減するための政策が必要とされている。これらの課題解決に向けて、広い視野での政策議論が求められている。
また、交通渋滞も大きな課題だ。違法駐車防止などの啓蒙活動は一定の効果が期待されるが、自動運転技術の普及が解決策となる可能性がある。自動運転技術を活用すれば、適切な車間距離を確保し、バス運行の円滑化が進むことが期待されている。そのため、自動運転技術の普及を促進する政策が必要とされている。