“性善説”が崩壊する現代社会! 路線バスの「前乗り信用方式」は本当に続けられるのか?
京都市交通局は2024年12月1日から運賃機を更新し、両替時間の短縮を目指す新システムを導入した。この変更により、バスの運賃支払いがより効率的になり、乗客とドライバーのストレスが減少することが期待されている。さらに、前乗り信用方式やICカードの導入が、公共交通の新たな課題を解決する可能性を示している。
運賃徴収の効率化がカギ

国内の路線バスでは、多くの地域で整理券方式を採用し、「後乗り・前降り」が行われている。一方、大都市部では均一運賃を採用し、「前乗り・後降り」を実施している地域もある。これらの方式には、それぞれ次の特徴がある。
●後乗り・前降り
・乗客が後方のドアから乗車する(後乗り)
・運賃支払いは降車時に行う
・降車は前方のドアから行う(前降り)
●前乗り・後降り
・乗客が前方のドアから乗車する(前乗り)
・乗車時に運賃を支払う
・降車は後方のドアから行う(後降り)
しかし、前者には、インバウンド需要の増加や高齢者人口の増加にともない、
・両替に時間がかかる
・カードタッチのミスが多発する
という課題がある。特に京都など観光地では、降車が完了するまでに長時間を要し、これが乗客だけでなくバスドライバーにとっても大きなストレスとなっている。
こうした問題に対処するため、一部の地域では、乗車時に降車場所を運転席で確認し、事前に運賃を徴収する
「前乗り信用方式」
を採用している。今回は、この前乗り信用方式が実際に機能するのか、そして長期的に実施可能かを検討する。