QRコード決済、「公共交通」で普及しない理由とは?進化する決済環境、解決策は「海外との連携」か

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コード決済は、日本の消費者に急速に浸透しているが、公共交通での普及はまだ遅れている。PayPayなどのサービスは、海外との連携を進める一方で、QRコード決済特有の課題が残る。しかし、相互利用の進展により、インバウンド市場向けに新たな可能性が広がりつつある。

国境越えポイント還元の未来

福島交通・会津バスでのコード決済の使い方(画像:トランザクション・メディア・ネットワークス))
福島交通・会津バスでのコード決済の使い方(画像:トランザクション・メディア・ネットワークス))

 コード決済と公共交通の組み合わせがインバウンド市場で広く支持されるかどうかは、現時点では不確かである。

 海外のコード決済事業者との提携を進めたとしても、プラットホーム固有の課題がインバウンドに敬遠される可能性がある。しかし、この課題を補う方法として

「相互利用の整備」

が重要となる。PayPayと提携する海外のコード決済アプリであれば、PayPayのQRコードを読み取ることが可能だが、逆に日本のQRコードを読み込むことは現状ではできない。ただし、この仕組みの整備は進行中であり、現在日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国間でQRコードの規格の互換性を持たせる調整が行われている。この互換性が実現すれば、日本人も普段使っているコード決済アプリを活用して東南アジアを旅行できるようになるだろう。

 もし相互利用が実現すれば、次に可能となるのは

「国境を越えたポイント還元」

の導入である。日本、タイ、インドネシアなどで共通基準のポイント還元キャンペーンが実施され、ためたポイントを各国で利用できるようになる光景が見えてくるだろう。このようなビジョンが実現するためには、公共交通が果たす役割が非常に大きくなると予想される。

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