熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
2024年、熊本県の交通事業者5社がICカード決済を廃止し、全国の公共交通でクレカタッチ決済導入の波が広がるなか、交通系ICカードの未来はどうなるのか。都市と地方で異なるキャッシュレス戦略が進み、キャッシュレス導入の柔軟性が試される。
交通系ICカードの転換劇
2024年5月、日本のキャッシュレス決済業界に大きな衝撃が走った。熊本県の交通事業者5社が、交通系ICカードでの決済取り扱いを中止すると発表した。そして、11月16日には、Suica(スイカ)をはじめとする全国交通系ICカードでの決済が廃止された。
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これは、各社が
「巨額のシステム更新費用」
を回避するための措置で、地方都市の交通事業者にとってこの費用は大きな負担となっている。5社は、代わりにクレジットカードのタッチ決済を導入することを決めた。
この騒動を
「交通系ICカードの凋落の始まり」
とするメディアもあるが、果たして本当にそうなのだろうか。 実は、この“熊本ショック”と同じ頃、都心では交通系ICカードのデータを活用したまちづくりが始まっているのだ。