QRコード決済、「公共交通」で普及しない理由とは?進化する決済環境、解決策は「海外との連携」か

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コード決済は、日本の消費者に急速に浸透しているが、公共交通での普及はまだ遅れている。PayPayなどのサービスは、海外との連携を進める一方で、QRコード決済特有の課題が残る。しかし、相互利用の進展により、インバウンド市場向けに新たな可能性が広がりつつある。

進化する鉄道運賃決済

ワンマン列車の乗り方(画像:長良川鉄道)
ワンマン列車の乗り方(画像:長良川鉄道)

 長良川鉄道(岐阜県関市)では、2019年からPayPayを使った支払いが導入されており、実際の運用方法を見てみよう。

 長良川鉄道には38の駅があり、すべてに改札が設けられていない。また、運行される列車は車掌を省いた

「ワンマン車両」

で、乗り方は路線バスに近い。乗客は整理券発行機で整理券を受け取り、降車時に回収機に入れる方式だ。

 PayPayで支払う場合、乗客は降車時にQRコードを読み取り、運賃を自分で入力して運転士に見せる(ユーザースキャン方式)。一方、長良川鉄道はクレジットカードのタッチ決済にも対応しており、この場合は整理券を取る必要がなく、乗車時と降車時に認識パッドにカードをかざすだけで決済が完了する。

 PayPayとタッチ決済の両方に対応している長良川鉄道だが、その運用はコード決済の難点を浮き彫りにしているともいえる。

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