QRコード決済、「公共交通」で普及しない理由とは?進化する決済環境、解決策は「海外との連携」か
コード決済は、日本の消費者に急速に浸透しているが、公共交通での普及はまだ遅れている。PayPayなどのサービスは、海外との連携を進める一方で、QRコード決済特有の課題が残る。しかし、相互利用の進展により、インバウンド市場向けに新たな可能性が広がりつつある。
訪日外国人消費とQR決済
現在、PayPayは11の国・地域で21のサービスと連携している。その多くは東アジアや東南アジアのサービスだが、イタリアのTinabaやモンゴルのHipayなども含まれている。
また、2024年4月から6月の訪日外国人旅行消費額によると、台湾は3位にランクインしている。これらを踏まえると、QRコード決済はインバウンド産業にとって非常に有利な決済手段といえる。
インバウンドにとっては、普段使っているコード決済アプリで日本の電車やバスを利用できることは大きな利便性を提供するからだ。
しかし、懸念点も存在する。
コード決済は交通系ICカードやクレジットカードと比較して、
「スマートフォンを取り出してアプリを立ち上げる」
という手間が生じるため、利便性が損なわれる可能性がある。これは店舗での買い物では問題ないが、電車やバスの乗車時には不便さが目立つ。非接触決済対応のカードのように、認識パッドにかざしてそのまま乗車することができないため、利便性の向上が求められる。