タクラマカン砂漠「環状鉄道」が6月開業 投資加速も立ちふさがる人権問題

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中国最大の砂漠・タクラマカン砂漠の南側を走る和若鉄道が2022年6月、開業する。同鉄道の経済効果が期待される一方、課題も少なくない。

世界初の砂漠環状鉄道

全線で軌道敷設完了した和若鉄道(画像:清河県政府)
全線で軌道敷設完了した和若鉄道(画像:清河県政府)

 タリム盆地の中央を覆う中国最大の砂漠・タクラマカン砂漠――。その南側を走る和若(わじゃく)鉄道が建設を終え、2022年6月に開業する。

 和若鉄道は、新疆ウイグル自治区内のホータン(和田)市とチャルクリク(若羌)県を結び、全長は約825kmに及ぶ。その全線がタクラマカン砂漠の南側とクンルン(崑崙)山脈の北麓の間を走る。完成によって、タクラマカン砂漠を一周する環状鉄道が完成することになる。砂漠を環状する鉄道は世界でも初めての例だ。

 2011年から計画が本格化し、2019年1月に着工。3年半をかけての完成に至った。路線は非電化の単線で、駅数は計画段階で65駅。当初は20駅の開業を予定している。

 主眼は貨物輸送に置かれており、年間に1500万tの貨物輸送が行われると見込まれている。また旅客列車も1日あたり上下8本が走る予定だ(旅客扱いは9駅)。

 和若鉄道が注目されるのは、路線のスタイルが独特だからだ。タクラマカン砂漠の砂丘は極めて流動的で、低いものは年間で約20m移動する。このため地上に線路を建設した場合、容易に埋没してしまう。

 そこで、砂丘の移動が著しい地域には砂の上に橋を建設し、線路の埋没を防ぐ対策が採られている。こうした橋梁は5か所、総距離は約40kmに達している。また鉄道自体にも「防砂治砂」、すなわち砂漠化の進行を防ぐことが期待されている。

 防砂治砂は線路に沿って両側に防砂帯を建設し、線路沿いを緑化させることで、砂漠化の進行を防ぐものだ。これも世界初の試みで、今後の砂漠化防止の取り組みへの応用が期待されている。