タクラマカン砂漠「環状鉄道」が6月開業 投資加速も立ちふさがる人権問題

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中国最大の砂漠・タクラマカン砂漠の南側を走る和若鉄道が2022年6月、開業する。同鉄道の経済効果が期待される一方、課題も少なくない。

経済活動に立ちふさがる人権問題

新疆ウイグル自治区(画像:写真AC)
新疆ウイグル自治区(画像:写真AC)

 ただ、新疆ウイグル自治区の人権問題が投資のネックとなっている。

 かねてから、中国政府がイスラム系少数民族ウイグル族を抑圧していると欧米諸国で取り上げられてきたが、同区に進出したり、同区の生産品を使ったりしている企業も多かったことから、政治問題化は避けられてきた。しかし中米対立が高まるなか、同区で利益を上げる企業への非難も高まっていた。

 アメリカでは2021年12月、新疆ウイグル自治区からの輸入品について、強制労働で生産されていないという証明を義務付ける「ウイグル強制労働防止法案」が成立している。

 日本国内でも2021年、ウイグルの生産品を使っている企業への批判が高まる動きがあった。中国国内のみならず諸外国にとっても、新疆ウイグル自治区は有望な地域でだが、この問題が解決されない限り、二の足を踏む状況は続くだろう。

 ただ、探検家のスヴェン・ヘディンが決死の縦断旅行を行ったタクラマカン砂漠に鉄道が開通することについて、筆者はロマンを少々感じてしまう。

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