荷物が届かない、自宅に食料がない! 日本人は「本当の物流危機」を経験すべき――物流ジャーナリストの私がそう考えるワケ
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2024年問題って実は大したことなかったんじゃないの?――。そんな楽観論が広がり始めている。この国は一度本当の物流クライシスを経験しないと、物流の重要性が分からないのかもしれない。
トラック機能不全の衝撃

いずれにせよ、2024年4月1日に始まったこの問題は、まだ年末年始や年度末といった大きな繁忙期を迎えていない。楽観的な見解を持つ人たちは、これらの繁忙期を経た後に市況を再確認するべきだろう。
あるいは、日本人は、日本社会は一度、
「荷物が運べない」
「荷物がない」
といった本当の物流危機を経験したほうがよいのかもしれない。運送会社やドライバーがどれだけ苦しんでいると訴えても、個別の視点だけでは問題の深刻さが伝わらない可能性があるからだ。
“産業の血液”“経済の血液”といわれ、社会のあらゆるものの9割を運ぶトラック。日本の未来を考えるなら、トラック輸送が機能不全に陥ったとき、私たちの日常がどう変わるのかを、一度身をもって体験するべきなのかもしれない。