北陸新幹線「小浜ルート」支持なら、上越新幹線「新宿延伸」も検討すべき? 延伸ルート案と整備効果を徹底検証する
上越・北陸新幹線の大宮以南区間では、ルート再設計により効率が向上する可能性がある。大深度地下を活用することで所要時間が短縮され、池袋・新宿間での速度向上も期待されている。しかし、難工事や費用調整といった課題を克服できるかが、今後の焦点となる。
大宮~北与野間の難工事

大宮から新宿に向かって、まずは埼京線の大宮~北与野間を見てみよう。
この区間は、今回の延伸工事で最大の難工事箇所になると考えられる。
既設の東北新幹線高架橋は、新宿方面の高架橋増設を前提に作られているが、増設用地には送電設備の建物や淑徳学園の入り口があり、これらの移転が必要となる。
また、北与野駅北部には巨大なタワーマンションがあり、用地制約が厳しいなかで高架橋の拡幅や既設の東北新幹線との立体交差を作る必要がある。
このような点から、この区間は施工難易度が高いといえる。
そこで、既設の高架橋の上に柱を置いて新たに高架橋を構築する部分も出てくるが、これは上野東京ラインの神田~東京間の勾配部などで施工実績があるため、無理な話ではないだろう。
環境緑地帯の転用

現在の東北新幹線は埼京線と並行して走っており、その沿線には幅20mの環境緑地帯という用地が存在している。
この緑地帯は沿線環境対策のために整備されたが、一部は住宅やタワーマンションとして使われており、当初の目的はもはや達成されていない。そのため、この用地を線路用地として転用することも十分に考えられるだろう。
これを活用すれば、埼京線の大宮~中浦和駅手前まで並走するルートを取れる。また、与野本町~南与野間でトンネルに入り、埼京線と分かれる地点まで地下50mの大深度地下に下っていくルートとなる。