大惨事の記憶を忘れない! 大分市の最新「道の駅」に「レトロ電車」が保存されたワケ

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2024年7月に開業した道の駅「たのうらら」は、大分市と別府市を結ぶ国道10号線沿いにあり、アクセスが良い。駅内には「別大電車」がシンボルとして保存され、防災教育や観光拠点として活用されている。産直市場や展望デッキもあり、近隣の観光地「大分マリーンパレス水族館」などとも連携している。

「里帰り」計画始動

たのうららに保存されることになった506号。ヘッドライトなどが復元されたものの、塗り分けは前面の緑の部分が少なくなり正面右側のジャンパ線端子の黒い部分が緑に塗られるなど現役時代と異なる部分も(画像:若杉優貴)
たのうららに保存されることになった506号。ヘッドライトなどが復元されたものの、塗り分けは前面の緑の部分が少なくなり正面右側のジャンパ線端子の黒い部分が緑に塗られるなど現役時代と異なる部分も(画像:若杉優貴)

 この頃、別大電車の保存車両は501号と506号の2両のみとなっていたが、西大分駅近くにあった501号はかつての506号と同様にガラスがなくなるなど荒廃が激しく、2004年に解体されてしまった。

 佐野植物公園は人里離れた場所にあり、また夜間に閉園することもあってイタズラされることも少なくなった。しかし、沿線から遠く離れた地での屋外保存ゆえに電車の知名度は低かった上、次第に老朽化も進んだ。

そうしたなか生まれたのが、別大国道旧道跡に計画された道の駅への

「別大電車の里帰り」

計画だ。

 地元メディアの報道によると、この里帰りはかつて別大電車の沿線であり、そして大きな事故の現場となった田ノ浦地区の地元住民による要望もあったという。

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