大惨事の記憶を忘れない! 大分市の最新「道の駅」に「レトロ電車」が保存されたワケ
2024年7月に開業した道の駅「たのうらら」は、大分市と別府市を結ぶ国道10号線沿いにあり、アクセスが良い。駅内には「別大電車」がシンボルとして保存され、防災教育や観光拠点として活用されている。産直市場や展望デッキもあり、近隣の観光地「大分マリーンパレス水族館」などとも連携している。
移設された別大国道と怪談の消失

そのようにして、現在たのうららがある場所は旧道となり、別大間の移動でかつての電車埋没事故が起きた地点にある落石ガードやお地蔵さまの横を通ることはなくなった(新しい道からも眺めることは可能ではあるが)。
実は、別大電車の事故後に鎮座したお地蔵さまは、地元では怪談のひとつとして
「夜にお地蔵さまが手招きをする」
などさまざまなエピソードが語られていた。そうした意味でも、別大電車の事故の記憶は若い世代に継承されていっていた。
しかし、別大国道が沖合に移ると、そうした怪談が語られることすらほとんどなくなってしまった。今では、落石ガードやお地蔵さまが設けられた経緯はおろか、ここにお地蔵さまがあること自体を知らない人が多くなっているであろう。
つまり、この地に路面電車が保存された理由は「かつて電車が結んでいた大分市と別府市の中間地点であるため」であるのみならず、
「この地で起きた大惨事を未来の世代へと伝えていくため」
でもあり、地域防災における重要な使命を担っているといえるのだ。