大惨事の記憶を忘れない! 大分市の最新「道の駅」に「レトロ電車」が保存されたワケ

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2024年7月に開業した道の駅「たのうらら」は、大分市と別府市を結ぶ国道10号線沿いにあり、アクセスが良い。駅内には「別大電車」がシンボルとして保存され、防災教育や観光拠点として活用されている。産直市場や展望デッキもあり、近隣の観光地「大分マリーンパレス水族館」などとも連携している。

移設後の別大電車

佐野植物公園に保存されていた頃の506号。「車体更新」ともいうべき改造をされており、現役当時とは異なる部分が多い(画像:若杉優貴)
佐野植物公園に保存されていた頃の506号。「車体更新」ともいうべき改造をされており、現役当時とは異なる部分が多い(画像:若杉優貴)

 1996(平成8)年、大分市は若草公園の再整備に合わせて野外ステージの設置を決めた。その工事に当たって別大電車が障害となった。

 再び邪魔もの扱いされることになった506号。その後、2年間も行き先が決まらなかったものの1998年にようやく大分市東部郊外にある大分市立佐野植物公園へと移設されることが決まった。植物園は入園無料で気軽に見ることができるものの、公共交通でアクセスできないような場所への移設となってしまった。

 沿線から遠く離れた場所に移設された506号ではあったものの、移設されるまでの2年間に車体更新ともいうべき全面改修を受けた。これにより元の車体の上から新たな外板が貼られたと見られ、さらに側面のいわゆる「バス窓」は完全に作り替えられてアルミサッシ化された。

 車内もバス用部品を用いて補修されており、一部の運転機器やメーター、銘板、シートなどは現役当時とは大きく異なったものに取り換えられた。

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