「茅ヶ崎の米軍ヘリ = 予防着陸」という欺瞞! なぜ正々堂々「不時着」と呼ばないのか?

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10月10日、米軍ヘリが茅ヶ崎海岸に不時着したが、防衛省はこれを「予防着陸」と表現して事態を軽く扱った。不時着との違いに疑問が生じ、不適切な言い換えが問題視されている。過去の墜落事故でも同じような言葉が使われており、今後も事故が軽視される恐れがある。これに追随するメディア報道の質も問われている。

ものには限度はある

オスプレイ(画像:写真AC)
オスプレイ(画像:写真AC)

 だが、いい換えにも限度はある。今回のように安全のために念を入れての不時着なら欺瞞(ぎまん)でもまだ罪は軽い。それを墜落事故寸前の状態まで使うのは行き過ぎだ。

 2017年の件はそれだ。緊急事態を宣言したオスプレイが大分空港に降りる事件があった。着陸後にエンジンから煙と炎が上がる事態だったが、それを予防着陸と説明した。

 また、今の用例なら発火炎上さえしなければ予防着陸となる。2017年にCH-53が沖縄の東村高江の農地に不時着し大炎上した事件があった。これが着火に至らず燃料が漏れただけで済めば予防着陸といい張っただろう。

 墜落を不時着にいい換え例もある。2017年の沖縄、名護沿岸でのオスプレイ墜落では、機体はバラバラとなった。それにも関わらず防衛省は

「不時着水」

といい換えた。2023年の屋久島沿岸でのオスプレイ墜落も途中までは不時着水の語を使おうとした。

 人は欺瞞にも慣れるのである。陸上に落ちても燃えなければ予防着陸、墜落しても機体の外観が残っていれば不時着とする。担当者はそういい換えるクセがついている。

 いずれは人身事故となっても予防着陸の語を使うだろう。不時着時に市民の生命身体や財産に損害を与えてもそう強弁するのではないか。事故を

「事象」

といいだす例からすればあり得る話である。

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