「茅ヶ崎の米軍ヘリ = 予防着陸」という欺瞞! なぜ正々堂々「不時着」と呼ばないのか?
10月10日、米軍ヘリが茅ヶ崎海岸に不時着したが、防衛省はこれを「予防着陸」と表現して事態を軽く扱った。不時着との違いに疑問が生じ、不適切な言い換えが問題視されている。過去の墜落事故でも同じような言葉が使われており、今後も事故が軽視される恐れがある。これに追随するメディア報道の質も問われている。
安全を装う欺瞞
もちろん、米海軍ヘリが不時着したこと自体は悪くはない。故障の疑いから安全確保のために飛行中止を決心した。その上で、人がいないだろう至近の海岸まで飛行し、実際に人がいない状態を見極めて安定した操縦下で着陸している。
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ただ、褒めるほどでもない。その場に降りるまでの緊急性や危険性でもない。
自衛隊なら基地に戻る水準だ。潤滑オイルのなかに微小金属片を探知してたときはそうする。
基地側もそれほど危険な事態とは見なさない。着陸機について一応は機体番号とコーションライト点灯した旨を構内放送で伝える。ただ、これは
「警告灯がついただけ」
との含意でもある。実際に、部署をかけて基地全員で対応するわけでもない。
問題は、事態をごまかそうとすることにある。
防衛省にとって、米軍機不時着の報道は都合が悪い。これは安全のための不時着でも同じである。
米軍機の安全軽視に注目が集まるからだ。防衛省は円滑な米軍駐留も使命としている。それを損なうような、米軍機を危険視する内容の報道がなされてしまう。
その注目を避けるために予防着陸の語を作り出した。それを不時着のいい換えとして使っているのである