「茅ヶ崎の米軍ヘリ = 予防着陸」という欺瞞! なぜ正々堂々「不時着」と呼ばないのか?

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10月10日、米軍ヘリが茅ヶ崎海岸に不時着したが、防衛省はこれを「予防着陸」と表現して事態を軽く扱った。不時着との違いに疑問が生じ、不適切な言い換えが問題視されている。過去の墜落事故でも同じような言葉が使われており、今後も事故が軽視される恐れがある。これに追随するメディア報道の質も問われている。

米軍ヘリ、茅ヶ崎海岸に不時着

ヘリコプター(画像:米海軍)
ヘリコプター(画像:米海軍)

 10月10日に米軍ヘリが不時着した。米海軍の艦載ヘリ、MH-60Rが厚木基地から離陸した直後に不調のため南方15kmにある茅ヶ崎の海岸に降りた事件である。

 その説明として防衛省は

「予防着陸」

の語を使った。「警告灯が点灯したので、安全のために飛行を中止して至近の空き地に着陸した」との組み立てである。

 これは、不時着事故を軽く見せるための“いい換え”でしかない。

 都合の悪い刑事事件や人身事故を「事案」といい換えることと変わらない。従来ならば不時着として扱っていた。それを軽く見せかけようと予防着陸にいい換えたのである。

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