転生したら「宇都宮LRT」だった件

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2023年8月26日に開業した吾輩は、宇都宮駅と芳賀・高根沢工業団地を結ぶ約15kmの新しい路線だ。移動時間は44分で快適に過ごせる。全ての車両は低床設計になっており、2024年9月には利用者数が500万人を超えた。67パーミルの急勾配にも対応していて、今後は自動運転やバッテリー駆動の導入も期待されている。地域の交通インフラとして、さらに成長していくことが望まれている。

自慢3「世界各地で活躍するドイツを源流とする一族」

新潟トランシスのウェブサイト(画像:新潟トランシス)
新潟トランシスのウェブサイト(画像:新潟トランシス)

 吾輩を生み出したのは新潟トランシス(新潟県聖籠〈せいろう〉町)であるが、実はドイツの

・MAN社
・AEG社

が開発・製造したファミリーで、「ブレーメン形」とも呼ばれている。

 特徴は、車両の真んなかあたりに1台だけ台車がついている点で、横からだと運転台が浮いているように見える。一族には、GTxN/M/S/K(xは車軸数、N/M/S/Kは軌間を表す)という形式名称がある。

 ちなみに、NはNormalspur(標準軌間1435mm)、KはKapspur(ケープ軌間1067mm)だ。この命名ルールに当てはめると、吾輩は

「GT6K」

となる。ちなみに、ベルリンや熊本にはGT4N、ブレーメンにはGT8Nが走っている。なんだか日産GT-Rのような、

「高級スポーツ車感が漂う形式名称」

が気に入っているのは吾輩だけだろうか。

 もちろん制御方式は、今風のVVVFインバーター制御だ。あの独特のウイーンという駆動音と静粛性が、ガラガラガラというような機械的な音のする先輩方とは一線を画しているところかもしれない。

 昔ながらのモーター音が好きな

「玄人筋」

には不評かもしれないが、そこは時代の流れと諦めてほしい。また、運転しやすさも時代とともに進化している。その昔は、乗客数や線路のぬれ具合などを体感しながらブレーキのエアーを調整しており、まさに職人技だった。今や吾輩が自動で調整しているので、運転士にも優しいといっていい。

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