民営化の公約「ローカル線もなくなりません」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(6)

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ローカル線の存続は地域経済にとって非常に重要だ。2020年代のJRグループは、赤字路線の見直しを迫られている。特にJR北海道をはじめとする三島会社は厳しい状況にあり、地域住民との協力が求められている。赤字路線を廃止すると地域のアイデンティティが脅かされるため、持続可能な鉄道を支える新たな枠組みを早急に構築する必要がある。

JR北海道、急務の経営改革

美祢線は自然災害により過去度々運休した。長門市駅での代行バス。2011年8月11日、筆者撮影(画像:大塚良治)
美祢線は自然災害により過去度々運休した。長門市駅での代行バス。2011年8月11日、筆者撮影(画像:大塚良治)

 さらに重要な問題として、JR北海道の経営を根本的に改善するためには、JR貨物がJR旅客会社に支払う線路使用料に適用される「アボイダブルコスト(AC)」ルールの見直しが急務である。現在、JR北海道が収受している線路使用料は、貨物列車の運行に必要な経費を大幅に下回っている。このため、見直しが必要だ。

 しかし、JR貨物からACを剥奪すると、線路使用料が大幅に増加し、JR貨物の負担能力を超えてしまう可能性がある。この問題については別の機会に詳しく検討するが、JR貨物の経営を維持するためには

「JRグループの経営形態の変更」

が必要だと筆者は考えている。

 また、赤字路線の現状を検証することも重要である。最近、秋田県鹿角地域に行く際に時刻表を確認したところ、IGRいわて銀河鉄道線の盛岡発花輪線直通列車が日中は3~4時間ごとに運行されていることに気づいた。スケジュールの関係で、行きは花輪線を利用できず、盛岡駅から高速バス「みちのく号」で鹿角花輪駅へ向かった。

 みちのく号は、途中で前潟イオン盛岡や鹿角花輪駅前を経由し、岩手医大病院・盛岡~大館間を結んでいる。早朝から夜19時台、大館発は17時台まで、おおむね1時間に1本のペースで運行されており、座席にはUSB充電設備が備えられている。また、交通系ICカードも利用できる上、新聞の無料サービスも提供されており、まさに充実したサービスで、花輪線にとって強力なライバルとなっている。

 JR東日本の東北エリアでは、盛岡~宮古間を結ぶ山田線で、2024年4月1日から2025年3月31日までの期間中、山田線の乗車券で並行する高速バス「106バス」に乗車できる実証実験が行われている。この実験で得られた課題を検証し、花輪線の乗車券でもみちのく号に乗れるようにするのはどうだろうか。

 なお、2024年10月1日からはJR東日本の東北エリアで、インターネットから乗車券・特急券(特急券のみの購入は不可)を購入できる「えきねっとQチケ」が始まる。事前にきっぷを購入する手続きが必要だが、クレジットカード決済によるキャッシュレス乗車が可能になる。2026年度末にはJR東日本全エリアにサービスが拡大され、地方交通線の活性化が期待されている。

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