民営化の公約「ローカル線もなくなりません」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(6)

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ローカル線の存続は地域経済にとって非常に重要だ。2020年代のJRグループは、赤字路線の見直しを迫られている。特にJR北海道をはじめとする三島会社は厳しい状況にあり、地域住民との協力が求められている。赤字路線を廃止すると地域のアイデンティティが脅かされるため、持続可能な鉄道を支える新たな枠組みを早急に構築する必要がある。

鉄道ネットワークの未来

今泉駅で出発を待つ米坂線代行バス。2024年9月12日、筆者撮影(画像:大塚良治)
今泉駅で出発を待つ米坂線代行バス。2024年9月12日、筆者撮影(画像:大塚良治)

 当時の政権が目指していた国鉄分割民営化の目的のひとつは、

「国と一部の労働組合との関係」

を断ち切ることだった。国が新会社に関与し続ければ、労働組合との関係も継続してしまう。それを避けるため、JR各社に対して国との資本関係を完全に解消するよう求めたのかもしれない。

 しかし、国と上場しているJR4社の資本関係を切ることは、赤字路線の維持には逆効果となっている。この問題を解決するためには、

・NTT(日本電信電話)
・JT(日本たばこ産業)
・JP(日本郵政)

と同様に、国がJR各社の株式の一定割合を保有し続ける制度を設計するべきだった。

 今後、赤字路線の問題は

・JR貨物の線路使用料問題の解決を含むJRグループの経営形態変更とそれを実現するための制度的な手当て(財源確保策を含む)
・利用促進策・路線価値向上

の2本柱で検討する必要がある。後者に関しては、実行可能な路線を観光鉄道に転換する施策や、文化財として未来に残すための制度設計が考えられる。多様なアプローチで鉄道ネットワークを維持する必要がある。

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