民営化の公約「ローカル線もなくなりません」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(6)

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ローカル線の存続は地域経済にとって非常に重要だ。2020年代のJRグループは、赤字路線の見直しを迫られている。特にJR北海道をはじめとする三島会社は厳しい状況にあり、地域住民との協力が求められている。赤字路線を廃止すると地域のアイデンティティが脅かされるため、持続可能な鉄道を支える新たな枠組みを早急に構築する必要がある。

鉄道と地域価値の接点

函館本線長万部~小樽間は北海道新幹線札幌遠心にともない廃止となる。ニセコ駅で2024年8月11日に筆者撮影(画像:大塚良治)
函館本線長万部~小樽間は北海道新幹線札幌遠心にともない廃止となる。ニセコ駅で2024年8月11日に筆者撮影(画像:大塚良治)

 一方、JR北海道は度重なる事故や不祥事の影響で、経営難が広く知られるようになった。2016年11月18日には「当社が単独では維持することが困難な線区について」を発表し、安全投資や修繕費の削減が過去の事故を招いていたことを反省し、赤字路線の整理による収支改善へと方針を転換した。

 1日あたりの輸送密度が200人未満の3線区を「赤色線区」とし、廃止の方向性が確定した2線区とともに、鉄道以外の交通手段への転換を進めている。現在残っているのは留萌本線の深川~石狩沼田間のみだ。

 輸送密度が200人以上2000人未満の「黄色線区」に関しては、2023年度中に自治体の費用負担を含む路線維持の結論を国に報告する予定だったが、コロナ禍を理由に3年延期が認められた。

 一方、北海道は「黄色線区」のなかで観光利用が多い富良野線、釧網本線、根室本線釧路~根室間の維持により、年間約330億円の経済波及効果があると試算を公表した。

 会計上は赤字でも、社会的な効果を生み出す路線の運営費用をステークホルダーが負担することは、地域価値を維持するための投資と考えられる。そのため、継続的な路線運営を実現するための共通の合意点をぜひ見つけてほしい。

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