便利でエコな「自転車シェアリング」が年々嫌われつつある理由

キーワード :
,
沈静化した自転車シェアリングブーム。大手は事業拡大に慎重な姿勢へと転じた。その背景には何があるのか。

DMMが参入前に撤退したワケ

放置自転車のイメージ(画像:写真AC)
放置自転車のイメージ(画像:写真AC)

 しかし、急拡大した自転車シェアリングはすぐに行き詰まりを見せてしまう。先駆者であるNTTドコモが、自転車シェアリングの拡大に慎重な姿勢へと転じたからだ。

 自転車シェアリングは、これまで行政を悩ませてきた駐輪場整備の問題を解消する目的が含まれていた。駐輪場不足が解消されれば、同時に放置自転車問題も解決することが期待できる。

 しかし、自転車シェアリングのパイオニアでもあるドコモは、以前から自転車シェリングの拡大・普及には

「交通安全や駐輪マナーといったユーザーの意識向上などが欠かせない」

と認識。

 これらがおろそかになれば、自転車シェアリングの拡大は歩行者と自転車の事故、放置自転車の増加を引き起こし、NTTドコモが想定した事態と逆に作用してしまう。それは自転車シェアリング事業を縮小させかねない。実際、自転車シェアリングに参入を検討していたDMMは本格的な参入をすることなく2017年に自転車シェアリングから撤退を表明した。

 NTTドコモの自転車シェアリングは「ポートと呼ばれる駐輪場を整備し、そこで貸し借りをする」のに対して、DMMは「どこからでも乗れて、どこでも乗り捨てられる」形式の自転車シェアリングを想定していたようだ。

 NTTドコモのようなポート整備形式でも放置自転車・事故の問題がついて回る。まして、DMMが想定していた自転車シェアリングの形式は自転車が街のいたるところで乗り捨て(という名の放置)が発生することが懸念される。それが大きくクローズアップされる事態を見越し、DMMは参入前に自転車シェアリングから撤退したといわれる。

全てのコメントを見る