「EVシフト」は工作機械メーカーも変革する! 金属加工は減少し、新工法の波が到来だ

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自動車業界は「EVシフト」により、部品点数が3万点から2万点に減少。工作機械の需要も変化し、コストは約半減の7000円に。日本の工作機械メーカーは新技術を開発し、中国での需要増加を背景に2022年には受注が過去2番目の水準に達したが、2023年は減少傾向。ハイブリッド車でも需要が見込まれ、成長が期待される。

ハイブリッド車もけん引する工作機械市場

自動車部品の加工例(画像:ヤマザキマザック)
自動車部品の加工例(画像:ヤマザキマザック)

 工作機械メーカーはEVシフトに向けた新規開発や新技術の投入を進めており、このシフトによって喚起された需要は非常に大きくなっている。

 工作機械は部品を製造するために欠かせないもので、部品設計や製造の段階よりも前に準備する必要がある。EVシフトは2019年頃から急速に拡大しているが、当初は既存技術の組み合わせによる開発が中心だった。そのため、2019年から2020年にかけての国内工作機械メーカーの受注額は他の要因も影響して、実際には低迷していた。

 しかし、2021年には工作機械の受注額が急激に増加し、特にEVシフトの中心地である中国での本格化が大きな要因となっている。日本の工作機械は中国をはじめとする世界中で高く評価されており、EVシフトが進行した2022年には史上2番目の高水準に達した。

 今後もEVシフトは進むと見込まれ、それにともなって工作機械の需要は高まっていく。しかし、2023年の現在、工作機械の受注はやや減少に転じている。これは中国や欧州でのEVシフトが一段落したことによるもので、今後は緩やかな成長が予想される。

 また、EVだけでなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車への方針転換も進んでおり、電動モーターと内燃機関のエンジンを併用するこれらの車種では工作機械の需要がさらに高まる見込みだ。EVシフトの動きは依然として流動的で先が読みづらいが、日本の工作機械分野には大きな成長が期待できるだろう。

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