四国と九州の「この場所」に、なぜ橋やトンネルを作らないのか?

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豊予海峡に橋やトンネルを建設する計画が再浮上。半導体産業の成長が九州の重要性を高め、交通網整備で関西と直結するチャンス。巨額投資が必要だが、今こそ100年に一度の推進の好機。

脱・太平洋ベルト時代のインフラ戦略

経済波及効果推計結果(画像:大分市)
経済波及効果推計結果(画像:大分市)

 今後、電気自動車(EV)転換やデジタル化を軸に、日本の産業構造は大きく変わると予想される。これまで太平洋ベルト地帯を中心に発展してきた日本の産業も、新たな時代に適応する必要がある。そのなかで、次の三つの地域が新たな成長エンジンとして期待されている。

・北海道:ロシアや北米との貿易拠点、食料生産基地としての役割
・日本海沿岸:中国、朝鮮半島、ロシアとの経済連携を強化する環日本海経済圏の形成
・九州:半導体産業の集積地として、またアジア諸国との玄関口としての機能

 特に九州は、日本の産業構造転換の最前線に位置しており、豊予海峡ルートはこの新しい産業構造を支える重要なインフラとなる可能性がある。

 東京や太平洋岸が主軸となる時代は終わり、豊予海峡ルートの実現は、日本の産業競争力を再び世界レベルに引き上げる国家戦略的プロジェクトの一環となるだろう。

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