いすみ鉄道危機、脱線から半年! 売上3割減・負債2倍…走り続ける意味はあるのか? カリスマ前社長の功罪、赤字ローカル線の価値を問う
いすみ鉄道の長期運休は、脱線事故と経営危機が重なり、地域の鉄道事業に深刻な影響を及ぼしている。収益悪化と補助金依存が続く中、行政と地元企業がどのように支えるべきか、鉄道の将来を左右する難題が迫る。
脱線事故から半年、復旧未定

千葉県の外房線、大原駅から上総中野駅を結ぶいすみ鉄道が長期にわたって運休している。運休の原因は、2024年10月に発生した脱線事故だ。この事故以降、運休が続いている。
2024年4月には、いすみ鉄道が「修繕工事や全線の安全点検を行うなど、まずは利用者の多い大原~大多喜間の復旧に向けて取り組んでおります」と発表したが、具体的な復旧予定は明らかになっていない。
脱線事故は2024年10月4日、国吉駅と上総中川駅の間で発生した。この事故では、車輪8軸のうち6軸が脱線した。幸い負傷者はなかったが、事故原因は経年劣化した木製枕木が疑われている。そのため、全線で運転が直ちに休止され、調査と復旧作業が続いている。
復旧が遅れている原因は、複数の要因が絡み合っていることだ。まず、脱線の規模が大きく、事故現場だけでなく広範囲にわたる修理が必要になった。さらに、運輸安全委員会の事故調査が完了するまで、本格的な復旧工事に着手できないという規制がある。
この間、いすみ鉄道では部分的な補修や安全点検が進められているが、復旧開始の明確なスケジュールを提示できないことに対して、沿線住民や鉄道ファンの苛立ちが強まっている。