民営化の公約「またがり利用 = 不便にならない」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(4)

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直通列車削減の理由を探る。車両の老朽化や採算性の問題が続くなか、直通運転の維持には多くのステークホルダーとの協働が不可欠。過去のダイヤ改正と直通運転の変遷、今後の車両保有管理の提案も含め、鉄道の未来を考える。

JR会社境界駅の分断問題

JR東日本長野駅に停車中のJR東海の特急しなの名古屋行き(画像:大塚良治)
JR東日本長野駅に停車中のJR東海の特急しなの名古屋行き(画像:大塚良治)

 JR会社間の在来線直通列車は削減され続けたことから、会社境界駅での乗り換えは増えた。「会社間をまたがっても乗りかえもなく、不便になりません」については、残念ながら守られていないと評価せざるをえない。この公約が守られていない理由は、

「JR各社ごとに抱える事情」

がいくつもあり、JR他社との利害が一致しないことがあるからだ。

 先日訪ねた長野駅では停車中の特急しなの名古屋行きの出発を見送った。この特急はJR東海とJR東日本を直通するが、2016年3月26日ダイヤ改正前日までJR西日本大阪発着の設定もあった。

 車両を保有するJR東海にとってはダイヤ調整の手間などを考えると調整相手は少ない方がよいとの考えや東海道新幹線の利用を増やしたいとの事情があり、JR西日本にとっては北陸新幹線のライバルとなるしなのの運行に協力するメリットはないとの考えなどがあったと考えられる(JR東海による公式発表では、名古屋~米原間の乗車率低迷が廃止の理由とされる(信濃毎日新聞『さよなら、大阪発着「しなの」 25日最後の運行』)参照)。これらが、しなの号大阪直通廃止の背景にあったのかもしれない。

 筆者が当媒体に以前書いた「JRはなぜ『直通列車』を削減するのか? 国鉄分割がなかったら今より多く存続していたかもしれない」(2023年10月15日配信)でも述べたことであるが、直通運転の維持を鉄道事業者任せにせず、直通運転の維持や復活に向けて、国や沿線自治体などのステークホルダー(利害関係者)と協働して取り組む必要がある。

 JR会社境界駅での分断解消が、地域間交流を活発化する可能性がある。亀山でJR東海とJR西日本にわかれている関西本線で、亀山を越える直通列車を運行する社会実験が計画されている。両社で保安装置が異なるなどの課題はあるが、関係自治体とJR2社の間で課題解決方法を検討し、実りある実験が実現することを期待したい。

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