民営化の公約「明るく親切な窓口」は結局、守られたのか?【短期連載】国鉄解体 自民党「1986年意見広告」を問う(2)

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株式会社であるJR各社は、利益を上げ、株主価値を高めるという「使命」を果たし続けることを株主から求められている。国鉄民営化前に約束した公約「明るく、親切な窓口に変身します。」は守られたのか。

自民党の1986年意見広告

みどりの窓口が廃止された新下関駅(画像:大塚良治)
みどりの窓口が廃止された新下関駅(画像:大塚良治)

 国鉄分割民営化の前年の1986(昭和61)年5月22日、自民党は全国紙に意見広告を出した。それは、国鉄分割民営化後の懸案事項に関して不利益がないことを「公約」したものであった。意見広告に明記された公約は次の六つである。

●民営分割 ご期待ください。
・全国画一からローカル優先のサービスに徹します。
・明るく、親切な窓口に変身します。
・楽しい旅行をつぎつぎと企画します。

●民営分割 ご安心ください。
・会社間をまたがっても乗りかえもなく、不便になりません。運賃も高くなりません。
・ブルートレインなど長距離列車もなくなりません。
・ローカル線(特定地方交通線以外)もなくなりません。

 連載1回目では「全国画一からローカル優先のサービスに徹します。」について検証した。2回目となる本稿では、「明るく、親切な窓口に変身します。」について再考する。果たしてこの公約は守られているのだろうか。

 本稿は「明るく、親切な窓口に変身します。」の「窓口」はきっぷうりば(出札窓口)だけでなく、広くJRの接客に関する全般的な事柄を意味するとの立場から、上記の公約をジャッジしたいと思う。

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