運送会社の逆襲が始まった! 取引解消で荷主あたふた、「代わりの会社が1か月も見つからない」という今さら現実だ
運送会社が荷主を選ぶ時代が始まっている。不採算な仕事を強要したり、ブラックな運行をしたりする荷主に対して、運送会社が反旗を翻し始めている。これは、運送会社が荷主に逆襲するチャンスなのだろうか。
荷主に求められる変化

なぜ、運送会社はウチの荷物を運びたがらないのか――。岩田氏はこのように悩む荷主が増えていることを指摘した上で、
「キツくて安い仕事は、まず現場とドライバーが嫌がる」
と指摘する。こういった現場を任されるドライバーや倉庫作業員は、より良い条件の職場を求めて辞めてしまうというのだ。
「運送会社が取引の解消を匂わせ始めると、荷主によっては、運賃を少し上げたり、あるいはドライバー等を引き抜いたりして、取りあえず目先のドライバー、あるいはトラックを確保しようとすることがあります。小手先の対策では、長期的にはなんの解決にもならないことに、こういった荷主たちは気がついていません」(岩田氏)
ある運送会社では、2023年から運賃の値上げ交渉を荷主に打診していた。ところが、その荷主の物流担当者が雲隠れしてしまった。交渉ができず、困った運送会社は、
「交渉に応じてくれないのであれば半年後には取引を解消する」
旨、荷主に対し書面で通達を行った。すると、雲隠れしていた荷主担当者が突然連絡をよこし、値上げ交渉に対し、満額回答を行ったのだという。このエピソードに対し、岩田氏は指摘する。
「運賃を上げればOKというものではありません。運送会社側からすれば、もはやこの荷主に対する信頼はゼロでしょう」(岩田氏)
では岩田氏が考える、今、荷主が運送会社に対して取るべきスタンスとは何か、と。
「運送会社に寄り添ったスタンスを取れない荷主は、もはや運送会社から選んでもらえないでしょう」