水素航空機への期待はなぜ高いのか?英国リーズ大学が明らかにした「不都合な真実」とは

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運輸部門におけるCO2排出量の削減は困難な課題である。英国での炭素排出量では55%を占めている。一方、2028年にはスウェーデンで商業用水素燃料航空機が就航する予定だ。

航続距離10%向上

論文『Understanding the large role of long-distance travel in carbon emissions from passenger travel(旅客輸送による二酸化炭素排出量における長距離移動の大きな役割の理解)』(画像:nature energy)
論文『Understanding the large role of long-distance travel in carbon emissions from passenger travel(旅客輸送による二酸化炭素排出量における長距離移動の大きな役割の理解)』(画像:nature energy)

 研究チームは、この新しい熱交換器を搭載した短・中距離航空機が燃料消費を約8%削減できることを実証した。航空機が非常に成熟し、確立された技術であることを考えると、これは単一の部品で非常に優れた成果を上げたことになる。

 研究者たちはまた、さらに最適化すれば、通常のエアバスA320に搭載されているこの種の熱交換器技術よりも航続距離を

「最大10%」

向上させることができると指摘している。

 チャルマース大学の研究開発では、水素燃焼エンジンを推進装置としているが、

「水素燃料電池」

を使用した水素航空機の開発も進められている。2022年4月、ドイツのH2FLY社は、水素燃料電池を搭載したデモ機「HY4」が高度約2200mでの飛行に成功し、飛行高度の世界記録を樹立したと発表した。

 水素航空機の開発は、日本でも熱心に進められている。

 例えば、川崎重工業は

・水素燃焼機
・液化水素タンク
・水素供給システム

などの開発研究を進めている。同社は2022年4月の記者発表で、エアバス社との協働を発表し、サプライチェーンの確立を視野に入れた政策提言と課題解決のためのロードマップを共同で作成することに合意した。

 さらに、2023年10月に発表した事業戦略ビジョンでは、2040年頃に「水素航空機向けコア技術開発」を事業化する計画を構想していると発表した。

 このように、水素航空機が世界の空を飛ぶ日はますます近づいているようだ。もちろん、安全対策は入念に検証されなければならないが、まずは、早ければ2028年にお披露目されるかもしれない、スウェーデンの快進撃に注目したい。

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