ロボットはなぜ「悪者」扱いされるのか? 最新研究で明らかになった人間思考の偏り、高性能ほど責任が重くなるワケとは
ロボットは高性能であればあるほど責任を問われやすいとする研究が示されている。社会に浸透するなかで、ロボット開発には「親しみやすさ」の工夫とメディア戦略が不可欠である。
自律型ロボットの責任問題
踏切で警報とともに降りてくる遮断機が運悪く人の頭や体に当たった場合、それは無謀な横断を試みた人の責任であり、遮断機に非はない。
しかし、もしこの踏切で通行人の監督をしていたロボットが、無理やり踏切を渡ろうとした通行人を制止し、けがを負わせてしまったらどうだろうか。多くの人は、このロボットを責める気持ちになるのではないだろうか。
自動運転車やその他の自律型ロボットが確実に社会に浸透しつつあることは疑いようがない。
・レストランで料理を運ぶロボット
・駅や大型商業施設で掃除をするロボット
などを、私たちは今後ますます目にするようになるだろう。
これらが日常生活に浸透していく一方で、軍事分野においてもドローンやロボットが活躍する時代を迎えつつある。紛争地域の現状を見てもそれは明らかだ。
軍事衝突における最大の懸念事項のひとつは、民間人への被害である。砲撃などの一般的な兵器による被害と、ドローンなどのロボットによる攻撃による被害では、
「深刻さ」
に違いがあるのだろうか。興味深いことに、新しい研究では、ロボットは単純なマシンよりも
「悪者にされやすい」
という結果が出ているのだ。