知らないうちにクルマで 「運び屋」になってしまう現実! 夏のレジャーは要注意、注意すべき“外来種”の正体とは?
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自家用車で広がるアリの脅威

米バージニア工科大学農学・生命科学部の研究チームが2024年4月に『Ecological Entomology』誌に発表した研究によると、台湾では外来種のアリが自家用車の“ヒッチハイク”によって生息域を拡大していることが明らかになった。
2017年から2023年にかけてのSNSなどのデータから、研究チームは、44台の自家用車と8台のスクーターに侵入・移動する活動的なアリを52件特定した。
アリの“乗車”は、車体の表面だけでなく、ボンネットの下やトランクのなかにあることが多かった。9種のアリは
・在来種:2種
・外来種/侵入種:7種
で、外来種のクロココアアリ(Dolichoderus thoracicus)が約6割を占めた。
車に侵入したアリの平均移動距離は約60kmで、寒い季節(秋と冬)よりも暖かい季節(春と夏)の方が多かった。暖かい気候はアリの活動を活発化させ、行動半径が広いほど自動車に遭遇する確率が高くなる。また、クロココアアリは樹上にも生息しており、夏場は木陰に駐車する車両が増えるため、樹上から落下して車両に侵入するケースが増えるようだ。
アリが侵入した車両が駐車されていた期間は、数時間から1か月以上と幅があるが、半数以上の30件が1日以内に侵入している。つまり多くは日帰りドライブで、アリが“ヒッチハイク”していたのである。
車内に侵入して移動するアリの存在は過去にも確認されているが、農業用車両や土木作業用トラックに限られており、一般乗用車での“ヒッチハイク”が明らかになったのは今回が初めてだ。
侵入した車両にはアリの餌となるものが特になかったことから、移動のために車両に侵入していると考えられる。外来種のアリは在来種のアリよりも生息域での個体数が多く、“アリ密度”が高いため、移住の圧力がかかっているともいわれている。
特に夏のレジャーシーズンには、知らず知らずのうちにアリを手助けしている可能性があることを、ドライバーは認識しておくべきだろう。