トランプ氏再選で揺らぐ「EV市場」 深まる米中対立、開発出遅れの日本車メーカーはむしろ救われるのか?

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トランプ氏が再選すれば、日本の自動車業界はGHG規制緩和でEV対応に猶予を得る。一方、USスチール買収阻止や円高進行のリスクも。ポジティブ・ネガティブ両面を慎重に見極める必要がある。

米中対立とテスラの苦境

テスラCEOのイーロン・マスク(画像:AFP=時事)
テスラCEOのイーロン・マスク(画像:AFP=時事)

 トランプ氏再選で、米国での中国製EV排除が進むと何が起こるだろうか。

 EVの世界最大手、米国テスラの中国販売が苦境にたたされる可能性がある。それを回避するために、同社最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は中国の政府要人としばしば面会している。4月にも、李強首相を訪問し、協力関係の維持を再確認している。

 テスラにとって、中国も米国も重要市場であることは変わらない。米国大統領選では、トランプ氏への献金を続け、トランプ氏支持を明言している。政治的なトラブルに巻き込まれることなく、米国・アジアでの拡販を維持する努力を続けている。

 トランプ氏再選で米中分断が深まると、中国EVメーカーは、アジアでの拡販を加速する可能性がある。これまで日本車の牙城であったタイでは、急速にEV販売が伸び、中国製EVが高い人気を確保している。インドネシアでも同様にEVが拡大して、

「日本メーカーの牙城が崩されるリスク」

が生じている。トランプ氏再選があれば、日本メーカーはEV開発での遅れを取り戻すための時間的猶予をもらうことになる。再選があっても安堵(あんど)するゆとりはない。

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