トランプ氏再選で揺らぐ「EV市場」 深まる米中対立、開発出遅れの日本車メーカーはむしろ救われるのか?

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トランプ氏が再選すれば、日本の自動車業界はGHG規制緩和でEV対応に猶予を得る。一方、USスチール買収阻止や円高進行のリスクも。ポジティブ・ネガティブ両面を慎重に見極める必要がある。

GHG規制緩和で日本メーカーに恩恵

ペンシルベニア州バトラーで行われた集会で、共和党大統領候補ドナルド・トランプ元大統領が壇上から急襲された。(画像:AFP=時事)
ペンシルベニア州バトラーで行われた集会で、共和党大統領候補ドナルド・トランプ元大統領が壇上から急襲された。(画像:AFP=時事)

 トランプ氏は、脱炭素に否定的で、石油・石炭・液化天然ガス(LNG)産業を擁護する姿勢を鮮明にしている。公約どおりならば、大統領に返り咲いたら、米国はパリ協定から即座に離脱する。

 米国は、トランプ氏が最初に大統領となった2017年にパリ協定から離脱を宣言したが、2021年に大統領となったバイデン氏が復帰を決めた。大統領が代わるたびに、米国はパリ協定からの離脱・復帰を繰り返すことになる。

 トランプ氏は、パリ協定離脱とともに、米国の温室効果ガス(GHG)規制の緩和に進むのが確実だ。GHG規制は、米国内で販売される自動車の燃費の改善を義務づけるもので、それを達成するために、自動車メーカーは新車販売に占める

「ゼロエミッション車(ZEV。〈EV、燃料電池車、プラグインハイブリッド車〉)」

の販売比率を急速に引き上げなければならない。米国政府は2030年までに新車販売に占めるEV比率を50%に引き上げる目標を掲げているが、その達成の行程を示すのがGHG規制だ。トランプ氏はそれに待ったをかけることになるだろう。

 環境規制がもっとも厳しいカリフォルニア州では独自のZEV規制(ゼロエミッション車の販売比率を高めることを義務づける規制)を定めているが、トランプ氏が再選すれば、その有効性をめぐり再び法廷闘争が起こる可能性もある。

 トランプ効果は、既に一部現れている。バイデン政権の下、米国環境保護庁は2024年3月にGHG規制の一部緩和を発表している。大統領選が近づくにつれてトランプ氏との競争上、バイデン政権でも規制緩和に配慮する必要が生じたためと考えられる。トランプ氏は、そこからさらに大幅な緩和を進めるだろう。

 北米でのEV販売で出遅れた日本メーカーは、GHG規制への対応が間に合わずに多額のペナルティーを支払うことになる可能性があるが、トランプ氏による規制緩和があれば、規制対応に猶予を与えられることになる。

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