日本経済を圧迫 「物流コスト高騰」の打開策とは【短期連載】フィジカルインターネットの課題を考える(1)

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物流コストの上昇が私たちの日常にも影を落とし始めた。物流コスト適正化と持続可能な物流サービス実現への救世主と期待されるフィジカルインターネットについて、4話に分けて考えていこう。

深刻極まるトラックドライバー不足

2021年10月「物流危機とフィジカルインターネット」より。トラック輸送の運賃は、過去最高の水準にある(画像:経済産業省)
2021年10月「物流危機とフィジカルインターネット」より。トラック輸送の運賃は、過去最高の水準にある(画像:経済産業省)

 運賃上昇の背景には、深刻なトラックドライバー不足がある。

 もちろん、ECビジネスの拡大による貨物の増加と小口化や、時間・日時指定配送による配送業務の複雑化や負担増などもあるが、最大の原因は人不足である。

 トラックドライバー不足は今後さらに悪化し、2027年には27万人が不足、2030年には、「貨物を運んでほしい」という物流需要の約36%が運べなくなるという試算もある。

 断言するが今後、トラックドライバーが大幅に増加する期待はない。

 そもそも少子高齢化による人口減少が進む日本社会においては、すべての産業において、人材確保は喫緊の課題である。他の人気産業や職種を差し置いて、トラックドライバーが突然人気を集め、人不足が解消することはありえない。

 だからこそ、物流従事者がさらに減少したとしても、維持継続できるように物流サービスは変革されなければならない。

 その打開策として期待されるのが、フィジカルインターネットだ。

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