“道路”の進化が止まらない! 数千万台の自動車から収集される「リアルタイム情報」の衝撃、欧米より10年以上遅れた日本どうなる【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(23)

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道路交通情報の収集と活用が進化し、GPS搭載車両からのプローブデータが主流に。欧米ではAIによる自動検知が常識化し、500mごとに交通状況を監視。自動運転時代に向けた先行投資が喫緊の課題で、リアルタイム情報が渋滞軽減に貢献している。

モビリティDXの喫緊課題

道路管理者が運営するニュージャージー州の交通管制センター(画像:牧村和彦)
道路管理者が運営するニュージャージー州の交通管制センター(画像:牧村和彦)

 いずれ本格的に普及すると言われている自動運転時代においては、この車線ごとに交通状況を把握する技術やその先行投資が非常に重要となる。

 自動運転の車両が自らの力で最適な車線を選択することは難しく、誰かがどの車線を走行すべきかの指示を与えて初めて自動運転が実現する。自動運転の車両がすべて同じ車線を走行することになってしまえば、新たな渋滞が発生してしまうだろう。

 近年は車両自身がどの車線を走行しているかの自己位置推定の技術が向上しており、第三者による車線ごとの交通状況の提供や共有は、自動運転社会の実現へのスピード、成立の可否を大きく左右するものだ。その際、移動体によるプローブデータがさらに大きな価値を生むことになるのは言うまでもない。

 日本においても、欧米では10年以上前から始まっている自動運転時代を見据えた道路管理への先行的な投資やプローブデータの流通ビジネスの促進は、モビリティDXとして喫緊の課題ではないだろうか。

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