“道路”の進化が止まらない! 数千万台の自動車から収集される「リアルタイム情報」の衝撃、欧米より10年以上遅れた日本どうなる【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(23)
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道路交通情報の収集と活用が進化し、GPS搭載車両からのプローブデータが主流に。欧米ではAIによる自動検知が常識化し、500mごとに交通状況を監視。自動運転時代に向けた先行投資が喫緊の課題で、リアルタイム情報が渋滞軽減に貢献している。
車線ごとの推奨速度
都市部の高速道路には、先に紹介したように車線ごとにリアルタイムな交通状況を把握する仕組みが整っている。近年はこれら情報を活用して、渋滞してもストップ&ゴーのようなノロノロ運転の発生を少なくし、速度が低下しても交通の流れが止まらないように交通流を制御する仕組みが欧米各地で広がっている。
高速道路での事故は、急速に速度が変化するような状況下での発生が多く、渋滞発生時の追突のリスクを低下する技術が発展してきている。
例えば、西海岸のシアトルの渋滞多発区間においては、500mごとに推奨速度を車線ごとに提供する案内版が数kmに渡って設置されている。車線ごとの交通密度を観測し、密度に応じて自動的に推奨速度をドライバーに提供することで、ノロノロ運転の発生を少なくする取り組みが行われており、効果を上げている。
事故や故障などで車線が閉塞(へいそく)する場合には、通行できない車線が「×」マークで案内板に表示され、閉塞区間のかなり前方から誘導員を置くことなく、ドライバーに車線変更の準備や変更を促すことが可能となっている。