新幹線が停まるのに、埼玉「本庄早稲田駅」がいまいち栄えていないワケ 開業20年なのになぜか
本庄早稲田駅は、早稲田大学と密接に結びついた歴史を持ち、地域振興や新幹線利用の拠点として重要な役割を担っている。しかしイマイチさえないのはなぜだ。
本庄早稲田駅の誕生秘話

本庄早稲田駅――。埼玉県北西部の本庄市にある新幹線の駅である。駅名の「早稲田」の3文字は、この駅のユニークな誕生秘話を物語っている。
2004(平成16)年4月、上越新幹線の駅として開業した。その名前の由来は、多くの人が想像するように早稲田大学にある。世の中には
・都立大学駅
・学芸大学駅
など、実際には「大学が存在しない駅」もあるが、本庄早稲田駅は違う。駅の近くに早稲田大学のキャンパスが広がっている。
しかし、この駅名にはそれ以上の意味が込められている。それは、
「駅の誕生そのものに早稲田大学が深く関わっていた」
ことを示唆しているのだ。早速、駅名の選定過程を見てみよう。開業前年、本庄市と岡部町、児玉郡の4町1村で組織された新駅名検討委員会は、本庄早稲田のほか、次のいくつかの候補を挙げた。
・本庄児玉
・武蔵本庄
・こだま
・本庄
どれも地域の歴史や特徴を反映した名前だ。しかし、最終的にJR東日本が選んだのは「本庄早稲田」だった。
本庄市は利根川の向こうに群馬県を臨む。この地域は古くから開かれてきた土地である。平安時代には武蔵七党のひとつである児玉党の館が築かれ、江戸時代には中山道最大の宿場町として栄えた。明治時代には、本庄に遷都してはどうかという議論も起こったほど繁栄していた。