「高卒」が企業に人気のワケ なんと求人倍率は大卒の「2.2倍」、AI時代における“学歴”の価値とは?

キーワード :
,
上越市長の発言が学歴差別として波紋を呼ぶなか、高卒と大卒の求人倍率や賃金格差を比較し、AI時代における学歴の価値を再考する。

上越市長発言に学歴差別の波紋

会社員のイメージ(画像:写真AC)
会社員のイメージ(画像:写真AC)

 2024年6月18日、新潟県上越市市長が企業誘致をめぐる議会の答弁で発した「従業員3000人のうち研究開発職は270人であとは工場勤務」「工場で働いているのは高校卒業レベルの人で頭のいい人だけが来るわけではない」という発言が学歴差別ではないかと波紋を呼んだ。

 要は、高卒で働いている人よりも、大卒で就職した人の方が優秀だという考え方が背後ににじんでいるのではないかということだ。

「優秀さ」とは場面によって異なるものであるから、高卒と大卒のどちらが優秀かという問い自体、

「そもそも意味がない」

のだが、実際に人材採用などの企業の現場において、学歴はどのような影響があるのか検討してみたい。

高卒の方が大卒よりも求人倍率は高い

会社員のイメージ(画像:写真AC)
会社員のイメージ(画像:写真AC)

 まず、求人倍率、つまり企業がどれだけ対象の人たちを求めているかという指数から見てみよう。リクルートワークス研究所による最新の調査によれば、大学卒の求人倍率は、

「1.75倍」

である。これはコロナ前の水準に戻ってきており、いわゆる「売り手市場(学生が強い市場)」となっている。

 一方、厚生労働省によると、2023年9月末時点の高校卒の求人倍率はなんと

「3.79倍」

で、大卒の“2.2倍”となっている。つまり、この数字だけ見れば、大卒よりも高卒が企業から求められているともいえる。もちろん、大学進学率が1990年代はおよそ25%(文科省学校基本調査)だったものが、2020年代には約55%となり、

「就職をする高校生自体が減っている」

ことの影響は大きい。しかし、それだけではないはずだ。

全てのコメントを見る