「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! “観光立国”なんて実はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病から考える

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長崎県対馬市の神社における韓国人観光客の出入り禁止措置の背景と影響などから、日本のゼノフォビアについて考える。

年代別インバウンド意識差

インバウンドのイメージ(画像:写真AC)
インバウンドのイメージ(画像:写真AC)

 さらに詳しく見ていこう。この調査では、回答者がインバウンドの増加を支持するか否かについて、性別と年齢別に結果を分析している。以下は、「反対」と回答した人の割合を示している。

●男性
・10~20歳代:17.6%
・30歳代:33.3%
・40歳代:21.9%
・50歳代:25.2%
・60歳代:13.8%
・合計:21.5%

●女性
・10~20歳代:22.4%
・30歳代:23.4%
・40歳代:16.0%
・50歳代:13.1%
・60歳代:7.1%
・合計:17.5%

年齢による差が出た理由はなぜか。筆者(昼間たかし、ルポライター)の私見を述べる。

 この調査が実施されたのは2017年2月である。当時の各世代の男性には次のような特徴があると考えられる。

●50歳代(1957~1967年生まれ)
・高度経済成長期に生まれ、バブル経済期に社会人となった世代
・日本的雇用慣行(終身雇用、年功序列)を経験
・バブル崩壊後の「失われた20年」も経験

●60歳代(1947~1957年生まれ)
・比較的経済的に余裕がある世代
・日本の国際社会復帰と高度成長期の急速な発展を目撃
・日本の国際化の進展を経験しているため外国人との交流に比較的オープン

●若い世代(10代から20代)
・インターネットやSNSで海外文化に日常的に触れる
・学校教育で国際理解教育を受けている
・その結果、インバウンド増加に対してより寛容

 個々人を「世代」としてひとくくりにすることは、乱暴な見方かもしれない。しかし、それぞれの世代が経験してきた社会的背景や時代の空気が、外国人に対する意識の差となって表れている可能性は否定できない。

 高度経済成長期を経験した世代、バブル崩壊後の「失われた20年」を生き抜いた世代、そしてグローバル化が進んだ環境で育った若い世代。それぞれが、その時代ならではの経験を通じて、外国人に対する異なる視点を形成してきたと考えることもできる。ただ、どの世代にも、外国人に対してなんらかの理由で嫌悪感を持つ人は一定数存在するという事実だ。

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