「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! “観光立国”なんて実はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病から考える

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長崎県対馬市の神社における韓国人観光客の出入り禁止措置の背景と影響などから、日本のゼノフォビアについて考える。

定量的調査の重要性

インバウンドのイメージ(画像:写真AC)
インバウンドのイメージ(画像:写真AC)

 本稿を執筆するにあたり、ゼノフォビアに関する詳細な調査や研究を調べたが、人々が嫌悪感を抱く場所や人物、その理由などを調査したものはあまり見当たらなかった。多くの場合、この問題はメディアやSNS上で感情的な議論に終始しがちである。

 例えば、京都ではインバウンドのトラブルがたびたび話題になるが、実際に誰が、どのように迷惑を感じているのかを

「定量的」

に示す公開された調査研究は限られている。ここで取り上げた関門地域の調査研究の重要性は、

・感情論
・個人的な経験談

に偏りがちなゼノフォビアの問題に対し、具体的な数値や統計的な裏付けを提供している点にある。

 オーバーツーリズム(観光公害)に端を発するゼノフォビアを解決するためには、このような定量的かつ客観的な調査が各地で行われ、その結果が広く共有されることが重要だ。そうすることで、地域ごとの特性や傾向を把握し、より効果的な対策を立案することが可能になる。

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