「日本に来ないで」 ネットにあふれる外国人観光客への罵倒! “観光立国”なんて実はタテマエ? 「外国人嫌悪」という現代病から考える

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長崎県対馬市の神社における韓国人観光客の出入り禁止措置の背景と影響などから、日本のゼノフォビアについて考える。

インバウンド対応、質的課題も浮上

「将来、インバウンド観光客を受け入れ計画」(左)と「インバウンド受入の予定がないと受入たいの課題について」(画像:日本旅行業協会)
「将来、インバウンド観光客を受け入れ計画」(左)と「インバウンド受入の予定がないと受入たいの課題について」(画像:日本旅行業協会)

 コロナ明けとともにインバウンド需要は急増しているが、その恩恵は極めて限定的だ。日本旅行業協会の「2023年度 インバウンド旅行客受入拡大に向けた意識調査第2回アンケート分析結果報告」によれば、現在インバウンドを受け入れていない事業者(調査対象は自治体、観光施設、輸送事業者、旅行会社、宿泊事業者など)に対し、受け入れ意向を問うた質問に対しての回答は、

・今後も受入の予定はない:35%
・受け入れたいと思っているが、課題があると感じている:30%
・受け入れたいと思う:21%

となっている。受け入れ予定がない等の回答の理由としては

・人手不足や人材不足
・インバウンドを受け入れる余裕がない
・多言語インフラの整備が不十分
・外国人対応スタッフの雇用

などが、上位に挙がっている。観光業界は総じてインバウンド観光に期待しているように思われている。しかし、この調査によると、回答者の少なくとも30%はなんらかの問題を抱えており、インバウンドに頼るつもりはないことがわかった。

 また、別項目である「インバウンド観光客受入の課題」については、2024年1月の調査では、2023年7月の調査と比較して、多言語対応スタッフや通訳案内士の不足を課題として挙げる回答が増加した。

 多言語対応スタッフのニーズが高まっていることは、単なる人手不足の問題ではないことを示唆している。インバウンドとのコミュニケーションが難しいことが原因で、さまざまな摩擦や誤解が生じている可能性があるのだ。

 また、通訳案内士の需要が増えていることは、案内する人材が不足しているだけでなく、“文化の架け橋”となる人材も必要とされていることを意味する。つまり、インバウンドの増加は、単に人数が増えるという量的変化だけでなく、より複雑な問題を引き起こしているのだ。

 十分な受け入れ態勢が整っていないなかで、インバウンドが規制なく増加しているという事実は、彼らに対する不安感や拒絶感を助長し、結果として、冒頭のゼノフォビアにつながる可能性がある。

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