日本車はなぜ売れ続けるのか? なぜ強いのか? 厳しい自然環境が育んだ耐久性と信頼性、円安の“追い風”で再考する
日本の自動車産業は経済への波及効果が大きく、技術革新と長持ちする耐久性によって世界での地位を確立してきた。
円安追い風の自動車業界
日本の自動車メーカーの決算は、円安の大きな追い風を受けて絶好調だった。能登半島地震の影響や原材料費・人件費の高騰など懸念材料もあったが、海外でのハイブリッド車への再評価が大きかったようだ。
年内には米国大統領選挙が予定されており、その結果次第ではバッテリー式電気自動車(BEV)はさらに後退するという予測さえある。
一方、6月に発表された調査結果では、型式指定申請の不正が各社に影響を及ぼしていた。これは、業績が好調な今こそ、メーカー各社が自らを引き締めるときであることを示す兆候のひとつである。
総務省によれば、日本の自動車産業の国内経済波及効果は約2.5倍とトップクラスであり、業績の浮き沈みは生活のさまざまな面に影響を与える。そして、この業績を支えているのは、「円安」や「販売価格」とは異なるもうひとつのポイントがあると、筆者(J.ハイド、マーケティングプランナー)は考える。
それは、日本車が過酷な使用環境下でも耐久性があり、経年劣化に強く、メンテナンスが容易であるという「事実」に基づいて長年培われてきた
「ブランド資産」
にほかならない。特に、トヨタ自動車と三菱自動車というふたつのメーカーの評判は並々ならぬものがある。