日本車はなぜ売れ続けるのか? なぜ強いのか? 厳しい自然環境が育んだ耐久性と信頼性、円安の“追い風”で再考する

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日本の自動車産業は経済への波及効果が大きく、技術革新と長持ちする耐久性によって世界での地位を確立してきた。

技術人材の不足危機

2024年5月23日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2024年5月23日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 また、さまざまな報道からもわかるように、各業界における科学技術人材の不足も深刻だ。製造業、特に人命に関わる分野では、長期的な目標を設定し、10年以上かけて人材や製品、ブランドイメージを育てていくことが不可欠だ。

 特に自動車は、超高速でcm単位の精密な制御が要求され、刻々と変化する自然環境への対応力も求められる難しいものだ。アップルやグーグルといった最先端企業でさえ、「完全自動運転」開発に至らないことは象徴的だ。

 日本人の生活基盤を支えているともいえる日本車メーカーが絶好調の今こそ、慢心してはならない。度重なる不祥事の反省とともに、産官学が一体となって自動車産業の長期将来計画を打ち出し、技術革新や人材確保に向けたさらなる具体策を打ち出す必要があるのではないだろうか。

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