「駅の発車メロディ」は町おこしになる? 利用客には日常でも、ファンには“特別感”という事実【連載】移動と文化の交差点(5)
最近、SNSや動画共有サイトでファンが各駅の駅メロを紹介し合うなど、一種の「ミュージックツーリズム」が注目されている。
地元愛を育む駅メロ

先述のとおり、日本のミュージックツーリズムは、アーティストのゆかりの地を訪れるところまでまだ十分に成熟していない。しかしながら、駅メロはこの観光活動を補完する可能性を秘めているかもしれない。
調べてみると、数多くの駅メロが存在するが、Jポップは著作権の問題もあってか、童謡に比べてまだ数が少ない。それでも、
・JR西立川駅:雨のスティション(荒井由実)
・JR足利駅:渡良瀬橋(森高千里)
・JR行田駅:夢伝説(スターダストレビュー)
・JR郡山駅:キセキ(GreeeeN)
・JR秋田駅:明日はきっといい日になる(高橋優)
・JR仙台駅:フォルティシモ(ハウンドドッグ)
・JR水沢江刺駅:君は天然色(大瀧詠一)
・JR高崎駅:さらば青春の光(布袋寅泰)
など、ほとんどはアーティストにゆかりのある場所であり、楽曲のモチーフとなっている。これらのメロディーはSNSや動画共有サイトで紹介され、地元の誇りを感じさせる一方、PR効果もあるに違いない。
このように、アーティストたちが地元の誇りの象徴となっている。